コンセプトとニーズ

目次
東海顔認証のコンセプト
AI を活用したビジネスは今後ますます拡大していきます。東海顔認証では製造メーカー・ソフトメーカー様向けに顔認識システムの顔認証エンジンである基本 AI ソフトウェア、 Face01(フェイスゼロワン)シリーズをご提供いたします。
これは OSS (オープンソースソフトウェア)を基盤として開発された高精度な顔認証 SDK であり、ディープラーニング(深層学習)を用いて顔の特徴を算出する機能を搭載しています。
通常、顔認識システムというと顔認証エンジンだけではなく、
- 顔写真の登録インターフェース
- モニタするためのモニタ画面
- 検出した顔を登録するデータベースシステム
- 顔そのものを検索するインターフェース
などをつけて提供したり、ドアの解錠やゲートの開放などに専用の機器を操作する仕組みをセットにして消費者の方にご提供すると思います。
東海顔認証は、各顔認証大手が提供する様なワンストップな業務形態をとるのではなく、顔認証システムを開発したい各企業様に顔認証 SDK をご提供することによって、迅速でコストのかからない顔認証システムの構築を後押しすることをコンセプトにしています。
これにより顔認証システムの普及に拍車をかけていけたら…と思っております。(図2)

顔認証エンジンの選び方
顔認証システムの捉え方として
- 強い顔認証システム (大規模顔認証システム)
- NEC などが構築する様なミッションクリティカルなシステム
- 弱い顔認証システム (小規模顔認証システム)
- 多くの企業が手がける一般の顔認証システム
がございます。
ミッションクリティカルなシステムとは、例えば空港、ATM 、警察での照合、などのように、
「対象とする人数が桁外れに多く、かつ認証に間違うと多大な被害が出るもの」
を指します。
開発費用が非常に高く、開発したシステムは厳しい仕様に耐えねばいけません。例えば NIST の FRVT の様なコンテストで一位になる様な実力が求められます。
すなわち、開発費用を回収するために値段は高くならざるを得ません。NEC では 1989 年から開発を続けています。当然その開発費用を回収するために値段を高くするかすべての市場を抑えるかの選択になります。
(参考記事:顔認証システムの選び方)
顔認証 SDK を導入したい企業様は、どうしても「より性能の良いものを」と考えるあまり、FRVT の設ける基準をクリアしているか気になってしまうと思います。ですが FRVT の基準とは
1:N 識別である時
- VisaMC dataset: FNMR of 0.025 or less at FMR=0.0001 OR
- Mugshot dataset: FNMR of 0.025 or less at FMR=0.00001
( FNMR: false non-match rate: 本人拒否率とほぼ同じ )
( FMR: false match rate: 他人受入率とほぼ同じ )
を満たしていなければなりません。また、
- 異なる民族の 10 年経年変化した顔を正確に区別することが出来る
- 2660 万枚のデータベースの中から一瞬で探し当てる(または居ないと判断できる)
- 別々の人物の顔を同じ人物と誤って判別してしまう確率が 0.25% 以下
も満たしていることが必要です。
しかしながら「顔認証の SDK を使って自社で製品にしたい」という場合はどうでしょうか。
認証率って何?
一般消費者と違って、必ず本人拒否率や他人受入率が知りたいと思います。
ところがここで気をつけなければいけないことがあります。
それは先のスマホの例でもそうですが、「作る製品の使用用途や使用範囲によって違う」という大前提です。
もともと使用される用途範囲の前提が違うのです。
NIST とは何か、NIST と FRVT
考えてみてください。例えば一般の入退室管理に 2660 万人も出入りしますでしょうか?しかも民族がバラバラで、登録した写真が10年前のものであるなんてことありますか?
強い顔認証(大規模顔認証システム)は空港などで使うものです。ビルの入退室や電子カルテのセキュリティには余剰すぎる計算資源を使いますし値段が高すぎます。(中略)
一般の使用用途では弱い顔認証(小規模顔認証システム)のシェアが圧倒的に高いのです。
一般の使用用途、例えば小売店の万引き防止や病院・マンションなどのセキュリティ、タイムカードなどの勤怠システム、パスワードなどを併用した入室管理、電子カルテなどでは、使用用途の範囲とコストの削減から「弱い顔認証システムの使用」が望まれます。弱い顔認証システム(小規模顔認証システム)は 50 人〜 100 人程度を処理することが可能です。
私達、東海顔認証がご提供する顔認証コアシステムは「弱い顔認証システム」です。ですので一般使用用途でのコストを抑えた運用に最も適しています。
ニーズ・ターゲット
画像解析に関する調査研究報告書2019年4月1日 公益社団法人日本防犯設備協会映像セキュリティ委員会によると、画像解析は2017年で46億円の市場規模。
公共や交通制御における車番認証や顔認証、及び店舗/流通需要が中心ですが、2020年以降は都市監視需要がやや停滞するため2021年は104億円の市場予想とされます。
顔認証 SDK のご提供となる主な対象となる業界は、
情報通信業、業務用機械製造業、電子回路デバイス電子部品製造業、電気機械製造業、情報機械製造業など
が予想されます。
元来 顔認識の技術は機械学習の領域になり、基礎研究開発が重要ではあるものの各社機械学習の人材が不足しており基礎研究をしてこれなかった経緯があります。
このような企業の現状に「基本 AI ソフトウェア(顔認証エンジン)のみの販売」は期待に答えるものと予想します。
商品・サービス
東海顔認証は、顔認証システムの基本 AI ソフトウェア Face01 シリーズを「どこよりも自由に!どこよりもリーズナブルに!」をモットーに各企業様にご提供します。無料サンプルプログラムのご提供やソースコードの共有など、スピーディ且つ自由にシステムを構築するお手伝いをさせて頂きます。
Face01 シリーズの簡単なご紹介はこちらからご覧ください。



【追記 2020年5月8日】
有料サポート・セミナーなどの出張はコロナウィルス蔓延のため中止させていただいております。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。対策として Web 会議、メールでの対応をさせていただいております。「お問い合わせフォーム」からご連絡をください。
情報を公開する
東海顔認証では環境設定の構築の仕方など本来はブラックボックスであるところを惜しみなく公開しております。
- Windows 10 での環境設定
- Ubuntu 18.04.4 での環境設定
- 各フォルダなどの解説
- CUDA 等ライブラリの導入方法
- CPU 命令セットの導入方法やライブラリ更新方法
- テストスクリプトなどでの簡単な初め方
- 性能検証、比較検証
- 他
顔認証は生体認証です。生体認証について誰もが同じように詳しいわけではありません。
ですので各記事を通して解説を続けていきます。たとえば
- 医療における情報化と生体認証
- 3D顔認証の弱点
- バイオメトリクスとプライバシー
- 生体認証(バイオメトリクス)ビジネスは瓶の形
- 顔認証技術の今後の動向(1)〜 (3)
- 顔認証システムの選び方
- NIST とは何か、NIST と NEC
- 他
です。各記事とも充実しておりますので安心して Face01 シリーズを使っていただけるものと思います。
様々な使用用途に応じた SDK を提供しています
使用用途・範囲によって使い分けられる SDK をご用意しております。
マスクをしたまま顔認証
昨今のコロナウィルスによりマスクをする方が増加しました。
Face01 シリーズではマスクをしたまま正しく顔認証するソフトウェアです。こちらの記事から解説をしております。

平均 0.19 秒の認証スピード
顔認証はスピードが命です。下の検証動画では一定時間感覚で写真を変えると一瞬で顔認証される様子をみてとれます。体感では写真が別の顔に変わってから顔認証されるまで全くタイムラグを感じません。

本人拒否率も他人受入率も両方低い
本人拒否率(FRR: False Rejected Rate)と他人受入率(FAR: False acceptanceRate)は相関関係にあります。

システムに登録された顔と、登録されていない顔はきちんと分けられなければいけません。
下の検証動画では、米俳優のモーガンフリーマンさんのみ顔登録しています。観客席やゲストの方々は全て赤枠で「未登録」と表示されていることがみてとれます。この時自動的に全ての検出した顔を保存しているので後から見返すこともできます。

顔認証で人数をカウントする
人数カウントに顔認証技術を用いることでユニーク数が分かります。下の検証動画では登場する俳優・女優さんが様々なカメラアングル、表情で検出されています。最終的に「3人である」と弾き出す様子をご覧ください。

サーバの帯域を占拠しない顔認証
サーバで顔認証を用いる時に、動画像を常に入力し続けることは帯域の圧迫の他サーバ自身の計算資源を浪費してしまいます。その事から専用の SDK をご用意しております。下の検証動画では入力された画像だけから登録された人物を判定して標準出力にだしたり顔画像の自動保存をしています。

複数人同時積極認証
下の動画では複数人を同時に顔認証している様子を示しています。全くタイムラグを感じさせることなく処理していることがお分かりになるかと思います。この人数ではサンプル数が足りませんが、本人拒否率 0% 、他人受入率 0% になっております。(サンプル数 216 。本来ならば最低 1 万枚欲しいのでサンプル数は 2.16% )

上の動画ではタイムラグを感じないので「写真に手動で貼り付けているのでは?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れません。ですので処理をスローにした動画を以下に載せます。一枚のフレームから顔を検出して順番に顔認証している様子がお分かりになると思います。
(特別に動画をスロー再生しています)

以上です。
その他ご質問がございましたら「お問い合わせフォーム」からお気軽にお寄せください。
最後までお読み頂きありがとうございました。