顔認証技術の今後の動向(3)

手のひら認証の様子

前回の(2)では「ICカード+2次元顔認証」をおすすめしました。
今回はマルチモーダルではなく、それぞれを単独で使用した場合の比較を表にしました。紙面の都合上指紋や署名など書き込めませんでしたが、この表では特に

  • 近接型(測光型)3次元顔認証
  • 予測型3次元顔認証
  • 2次元顔認証

の3つについて主に評価しています。

各認証機器を単独で使用した場合のメリットやデメリットの表
各認証機器を単独で使用した場合のメリットやデメリット

近接型(測光型)3次元顔認証

https://www.ept.ca/2018/07/microsoft-raises-alarms-about-face-recognition/
より引用
https://www.ept.ca/2018/07/microsoft-raises-alarms-about-face-recognition/
より引用

スマートフォンに代表されるような顔認証方式です。顔に赤外線を照射して3次元データを取得することによって本人かどうかを見極めます。デメリットは距離が離れると使用できないこと。カメラから何メートルか離れただけで使用不能になります。また最も顔認証システム上では他人受入率が低いと評価されていましたが、親子間で同一人物と判断してしまうなどの問題点も近年指摘されてきています。

予測型3次元顔認証

顔の3次元曲線を大元にしてそこから擬似的に3次元顔データを作る方式です。

https://www.researchgate.net/publication/287342070_3D_Facial_Similarity_Measure_Based_on_Geodesic_Network_and_Curvatures
より引用
https://www.researchgate.net/publication/287342070_3D_Facial_Similarity_Measure_Based_on_Geodesic_Network_and_Curvatures
より引用

顔認証システムの中で今最も研究されている分野かも知れません。こちらの画像は「3D Facial Similarity Measure Based on Geodesic Network and Curvatures」という論文の一節です。
予めのテンプレートに顔画像を当てはめていく方式ですがかなり高精度の結果をはじき出しています。このことから顔認証システムの主流はこちらに移っていく可能性を大いに感じさせます。
ただし押さえておきたいのはこれはあくまで予測値であり、機械的にはじき出した近似値であるということです。また計算リソースも大幅にとってしまうことで現在の仕様ではコストの高いものになってしまいます。ですので「強い顔認証」(大規模顔認証システム)での研究と言えるかと思います。
参考記事:顔認証システムの選び方

2次元顔認証

「res-net face recognition」の画像検索結果

最も普及している方式で価格も安く信頼性も高いとされています。
2次元型といっても複数の方式が有り、信頼性や値段も様々です。ただし良質な光源、カメラの位置などによって同じソフトウェアでもその認識率は変わってきてしまいます。また3D測光をしていないため写真によるなりすましが容易に出来てしまいます。例えば防犯対策として使用されている場所で大きな写真を顔の前にかざしていれば簡単に要注意人物として分かり問題にはなりませんが、安価なアンドロイドスマートフォンの顔認証の場合、3D測光をしていないため簡単にロック解除できることが知られています。最近では瞬きを検出してから顔認証をする製品も現れ始めました。セキュリティ的には OK なのですが、目の瞬きが起こるまで待っていなくてはならないことから速度では劣ります。

まとめ

前回の(2)でマルチモーダルを紹介しましたが、入退室管理など厳格に個人を特定する場合にはやはりマルチモーダルにする必要性があるでしょう。今回3種類の顔認証システムの紹介をいたしましたが、前にも申し上げましたとおり100%を顔認証システムで弾き出すことは原理的に不可能です。ですので顔認証システム+「何らかのバイオメトリクス」という形が求められるのだと思います。

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