顔認証の長所と短所
顔認証の特徴
顔認証の最大の特徴は非接触性・非拘束性にあります。すなわち機器に触れたり立ち止まったりすることなく手軽なセキュリティとして実装することが可能です。その上で、顔認証にも長所・短所があることを確認します。
長所
- 非積極認証を実装していれば歩きながらでも認証が可能なため心理的抵抗が少ない
- 顔画像や映像が記録できる
- 顔画像を記録されるかも知れないという心理的効果から不正や犯罪行為への心理的抑制となる
- 同じカメラを使用して顔認証以外の認識を兼用して行うことが出来る(視線、人数カウント、性別、年齢など)
短所
- 虹彩などに比べると認識率は低い
- 撮影環境に大きく依存する
- 双子などの厳密な識別は難しい
- カメラから入力した画像の画像処理を行うため、大きな照明変化・大きな顔の向き・大きな表情変化・サングラスやマスク、撮像機器や撮像条件の変化に弱い
- 経年変化につれて、登録時と認証時の年月差の拡大に伴い認識率が少しずつ低下する。若い時と年老いた時とでは認識率がおちる
- 公共の場所では、個人情報やプライバシーの保護が問題になる可能性がある
これらの短所もディープラーニングなど機械学習技術が急速に進展しており、個人情報やプライバシー保護以外に関する短所は徐々に克服されつつあります。
一般社団法人日本自動認識システム協会
オーム社「よく分かる生体認証」p.32-33参照