日本のAI教育を支援する、顔認識ライブラリFACE01の提供について

公的教育機関および公的研究機関にむけて、顔認証ミドルウェアであるFACE01と日本人専用のAI学習モデルを、オープンソースでご提供します

アイキャッチ画像

FACE01の概要

FACE01は、Pythonを介して利用可能な顔認識ライブラリで、日本人の顔認識に特化したEfficientNetV2 Arcface Modelを含む、多様な機能を提供する最先端のソフトウェアです。1万人以上の顔データを用いてリアルタイムで顔認識を行うことが可能で、超高速の顔座標出力機能や日時情報付きの顔画像保存、GUIによる表示機能も搭載しています。詳細なドキュメンテーションも提供されており、初心者から中級者まで幅広く利用できるように設計されています。(ソース)

優れた学習モデル

AIを学習する近道は、最新の論文を読み、ネットワークを作り、データを集め、学習させ、モデルを検証することです。このサイクルを繰り返すことで、人もモデルも磨かれていきます。

2017年に発表されたDlib顔学習モデルは世界中に大きなインパクトを与え、現在でも産業界で使われています。しかしより良いモデルを作れないでしょうか?

日本人専用のAI顔学習モデル「JAPANESE FACE」を作成したネットワークのソースコードを読み、理解し、改善して下さい。最新の論文は、常に供給されています。

若年日本人女性に対するDlibとJAPANESE FACEのROC-AUC
DlibのF1-score
JAPANESE FACEのF1-score

日本におけるAIの教育と研究の現状

日本におけるAIの教育と研究は急速に進展しており、特に画像認識技術はその中心的な分野となっています。その応用範囲は医療から自動運転、セキュリティまで広がっています。このような状況から、画像認識技術の理解と習得は現代のAI技術者にとって必須のスキルとなっています。しかし、高品質な顔認識ライブラリが公開されている例はまだ少なく、特に日本人の顔を認識するための特化したライブラリはほとんどありません。そのため、FACE01のようなライブラリは、日本のAI教育と研究にとって非常に価値あるリソースとなります。

画像処理の基本を学ぶ重要性

AIや機械学習に必要な基本的なスキルの一つとして、コンピュータによる画像処理があります。特に、画像処理の中でも顔認識技術は高度な技術が求められます。これらの基本的なスキルを学ぶための有効なツールとして数多くのPythonライブラリ (numpyPytorch) があります。FACE01は広く使われているプログラミング言語であるPython/Pytorchで書かれていており、学生や若い研究者は画像処理のスキルを自然に身につけることができます。

産学官連携によるAI人材育成の重要性

日本のAI教育と研究の進展には、産学官の連携が不可欠です。特に、最先端のAI技術を学生や若い研究者に教えるためには、実際の産業現場での経験や知見が重要となります。その一方で、教育機関は理論的な知識や基礎技術の教育に力を入れることで、学生や若い研究者が自身で新たな技術を開発する能力を育てる役割を果たします。

具体的には、産業界からの最新の技術情報やニーズを教育機関が取り入れ、それを基にしたカリキュラムを設計することで、学生や研究者が社会で求められるスキルを効率的に学ぶことが可能となります。また、教育機関と産業界が共同で研究プロジェクトを行うことで、学生や研究者は実際の問題解決に取り組む経験を積むことができます。(脚注.1)

このような産学官連携による取り組みを通じて、学生や若い研究者は最新のAI技術を学び、実世界で活躍できるスキルを身につけることができます。その中で、FACE01のような最先端のツールを活用することで、理論だけでなく実践的な技術も学ぶことができます。これは、AI人材育成において非常に重要な要素であり、日本のAI技術の発展に大きく寄与します。

具体的には、FACE01を教材として用いることで学生や若い研究者は最新の顔認識技術を学び、その実装を体験することができます。また、FACE01が提供する詳細なドキュメンテーションとソースコードを通じて、学生や研究者は自身で新たな機能を追加したり、既存の機能を改善したりするための知識を得ることができます。これにより、学生や研究者は自身のアイデアを具現化する能力を育てることができます。

さらに、FACE01を用いることで、学生や研究者は最新のネットワークアーキテクチャに触れる機会を得ることができます。これらのアーキテクチャを理解し、自身で実装することで、最新のAI技術の理解を深め、自身の研究や開発に活かすことができます。

以上のように、産学官連携によるAI人材育成の取り組みと最先端のツールであるFACE01の活用は、日本のAI教育と研究の発展に大きく寄与します。これらの取り組みを通じて、日本は世界のAI技術の最前線で活躍する人材を育てることができます。


なお、FACE01ソースコードの無償利用は公的教育・公的機関の研究目的に限られています。 また、著作権については、教育目的での利用に特定の制限があります。具体的には、教育機関での利用は一部許可されていますが、その範囲は限定的です。したがって、FACE01を使用する際には、これらの制限を遵守することが重要です。詳細な情報については、参考となる著作権のドキュメントをご覧ください。(脚注. 2)

ご興味を持たれた大学関係者様、および公的教育機関の関係者様はこちらからお問い合わせください。


脚注. [1]: このような産学官連携の取り組みの一例として、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が行っているムーンショット型研究開発事業があります。この事業では、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的研究開発を推進する分野・領域を文部科学省が定め、その基づいた研究開発を推進しています。この事業において、プロジェクトマネージャー(PM)は、ムーンショット目標達成および研究開発構想実現に至るシナリオの策定、研究開発プロジェクトの設計、研究開発体制の構築、研究開発プロジェクトの実施管理などを行っています。 JST ムーンショット型研究開発事業 [2]: 教育を広く届ける 教育と著作権: 水谷正大 著, 大東文化大学 (2021)